その日、軀のところへ大統領府からきた通信内容はいつもと違う緊迫感があった。
『そんなわけでのぅ、お前さんところにいる飛影を人間界にやってくれんか?』
「大統領命令だろ?こっちに拒否権はねぇよ。すぐ飛影を向かわせる。人間界にいるオレ配下の妖怪の回収も可能な限りしておく」
『すまんのう。よろしく頼む』
通信が切れると軀は通信機を放り投げ、部屋の隅で寝ていた飛影に声をかける。
「聞いていただろ?お呼び出しだ。さっさと支度して人間界にいけよ」
ベットで寝転がっていた軀は起き上がり、サイドテーブルにあった書類を見ながら再び通信機で連絡をし次々と指示を出す。こういった姿はやはり元国王だなと思いながら飛影も重い腰をあげ身支度を始める。とはいっても、そんなに準備するものもないのだが…
「行ってくる」
「あぁ」
ぼそっと言った飛影の言葉に軀が返事をする。スタスタと歩いていった飛影だが扉の前で立ち止まる。何か思案しているようだった。
「飛影?」
軀が声をかけると飛影は振り向いた。
「×××××××××××××」
それを聞いた軀は思わず笑って返事をした。


