空から君が降ってきた 1


<プロローグ>

 

「良く出来たな」
そう言って少し硬い逆毛のアイツの頭を撫でる。
そうすると普段は仏頂面のアイツが少しはにかんで笑うんだ。そして照れてそっぽを向いて悪態をつく。
そんな子どもらしいクルクルと変わる表情が面白くて、オレはアイツを気に入ってそばに置いていた。

周りからいろいろ言われているのは何となく分かっていた。口煩い奇淋が一番気をつかっていたと思う。

アイツが出て行った日。
置いていかれた氷泪石を見つけてオレはもうアイツは戻る気がなくて、生きて会うこともないんだろうと悟った。
十年にも満たない間だったけど、アイツと一緒に過ごした時間はオレのクソみたいな人生の中で一番満たされていたかもしれない。
もう会えない。
そう思ってこの数年間過ごしてきたのに、巡り合わせとは不思議なものだ。

「軀様、もうじき到着との連絡が入りました」
「分かった」

今日アイツが帰ってくる。
アイツはなんて言うんだろうか。
つまらなかった三竦み生活が楽しくなりそうだ。

 

 

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